読書

話題の「生理ちゃん」を読みました。

生理ちゃんの概要

 

 

読みながらこれを描いた小山健は天才だ」と思わず独り言をつぶやいてしまいました。

「生理ちゃん」という包み隠さないそのまんまのタイトルのこの本は、世の生理で悩む女性の気持ちを非常に秀逸に代弁してくれています。

生理ちゃんというダイレクトなタイトルで、手に取りにくいかもしれませんが、中身は非常に読みやすく面白い漫画でサクッと読めてしまう内容です。

私は、2作品目まで一気に読みましたが、2冊読むのに1時間もかかりませんでした。

内容としては、タイトル通り「生理」についてのことがメインとなり、「生理」がキャラクター化された「生理ちゃん」が登場人物として出てくる短編集です。

男女関係、学校、仕事等様々なテーマの中で、生理について非常にわかりやすく表現されています。

時々、男性の「性欲」のことについても紹介される場面があり、男性も女性も意外と知らないことを知ることができる作品となっています。

 

感想

私自身、生理痛が重く、現在は産婦人科に通院し、薬を服用していて症状が比較的落ち着いているのですが、そこにたどり着くまでの間、辛い経験をしたこともあり非常に共感できる内容でした。

過去の経験

私の場合、産婦人科を受診するまでは、腹痛、腰痛、頭痛、吐き気、微熱、むくみ、眠気、食欲増進、ネガティブ思考等様々な症状が混在していました。

生理の時は正直学校に行くのも辛かったのですが、周りで休んでいる人もおらず、休んだら甘えなのではないか?と考えたり、生理痛が辛いという理由で婦人科に行くということも考えつかなかったりでした。

なので、とりあえず生理が来たら市販の生理痛薬を飲んで、症状を我慢したりごまかして、学校生活や、部活動の練習をこなしていました。

そんな私が産婦人科の受診を決めたのは、大学進学後のことです。

大学進学のため初めて家を離れた暮らしをし、おうちが大好きだった私は、程なくして、ホームシックになりました。そして、月1のアイツがやってきたのです。

そう、生理です。

ホームシックと生理のダブルパンチをくらった私は、心身ともに疲弊し、そこで初めて、産婦人科を受診するという方法をとったのでした。

産婦人科を受診して、生理前に不調がある、PMS(月経前症候群)であるという診断を受けました。当時は初めて聞いた言葉だったのですが、世の多くの女性が程度に差はありますが、この不調を経験しています。

個人差はありますが、腹痛、腰痛、頭痛、吐き気、微熱、むくみ、眠気、食欲増進、ネガティブ思考等その他様々な症状がこのPMSには含まれています。

それを知らされた時、私は病院であることもはばからず大号泣をしました。

今までの体調の悪さの理由がようやくわかり安心したことから湧き出た涙でした。

そこから、産婦人科で処方された低用量ピルを飲み始めて、PMS、生理痛の症状は大幅に改善されました。

私が飲んでいるのは、3週間のんで、1週間休むというピルで、休薬期間に生理がくるという仕組みになっているので、前もって生理がくる期間を把握することができます。

薬を飲んでもその月によっては、体調不良が現れたりする月もあるので、生理になる前の1週間、生理の週は前もって、スケジュールを調整するように心がけています。

生理の辛さは当たり前ではない

生理はほとんどの女性が経験するものであり、その辛さは多種多様なため、本当に辛い症状であっても、周りが我慢できているのだから、自分も我慢しないと甘えなのではないかといった考えになったり、その場しのぎの生理痛薬の使用などをしている人が多いのではないかと思います。

そのような人は、一度産婦人科を受診してみてほしいのです。

産婦人科というと抵抗があるかもしれませんが、いってしまえば内科や皮膚科といった他の病院となんら変わりはありません。

そして、受診することで、辛いのが当たり前だと思っていたことが、症状名があって、それに対する適切な対応をすれば当たり前だと思っていた辛さを大幅に軽減することができるということをぜひ知ってほしいのです。

女性アスリートと生理

女性アスリートとして声を大にして伝えたいのが、生理についての知識が日本のスポーツ界では浸透していないのが現状だということです。

生理ちゃんの中でも紹介されていますが、「生理が止まってからが、本当のアスリートだ」なんていう指導者はまだゴロゴロいるのです。

生理が止まったら、疲労骨折や、骨粗鬆症、将来の妊娠や出産といったものに対するリスクの増大があり、「生理が止まってからが、本当のアスリートだ」というのは女性アスリートの将来のことを考えると良い指導とは言えません。

また、ピルの活用は、生理痛の改善だけでなく女性アスリートのパフォーマンス向上にも有効なのです。ピルを使うことによって、大切な試合に生理が被らないように周期をコントロールすることができたり、生理の症状を軽減することができます。

このことは、日本ではなかなか知られていませんが、海外では当たり前に行われていることです。より高いパフォーマンスを発揮するために、生理の不調をコントロールすることは女性アスリートにとって避けては通れない課題であるという認識が海外ではよく広く広まっているのです。

知識が浸透していない日本だからこそ、この「生理ちゃん」は漫画という読みやすい形で、生理のことについて知らせてくれる非常に良い教材になり得ると思いました。

女性アスリートを指導する指導者の方にはぜひ読んでほしい一冊です。

最後に

生理の辛さを体験したことがなければ、

「生理が辛いから、学校を休む、練習を休む、仕事を休む」、というと「何甘えてんだ」と思ってしまうかもしれません。

体験できない男性は特にそうだと思いますし、同じ女性でも、生理痛があまりない人は、「生理くらいでなんで休むの?」と思うと思うのですが、本当に症状は人それぞれなのです。

高校時代、腹痛が辛すぎて、脂汗をかきながら英語の授業を受けたこと、ホルモンの影響で体温が高くなり、眠気が生じる中で、必死に眠気に抵抗しながら、昼食後の授業を受けたこと、自分に自信がなくなり、人と接するのが億劫で何もかもがうまくいかないという思考の中でも、登校したこと。

上記は自分自身の体験ですが、このような体験をしたのは自分も周りも生理についての知識が足りなかったせいだと思うのです。

私は、生理が辛いから、周りにどうにかしてほしいとまでは言いません。ただ、少しだけ生理について知ってほしいとは思うのです。

そんな導入になり得るのではないかと思うのが、今回の「生理ちゃん」という作品でした。

老若男女問わず一度読んでみてほしいと思います。